私たちは、両親から顔つきや体つき、性格など、さまざまな特徴を受け継いでいます。
この親から子へと受け継がれる遺伝子の仕組みを明らかにした人物がいます。
19世紀のオーストラリア帝国にて修道士をしていたグレゴール・ヨハン・メンデルです。
メンデルはエンドウ豆を使った実験を行い、遺伝の法則性を発見しました。
メンデルは、なぜエンドウ豆を実験に選んだのでしょうか。
それは、エンドウ豆が育てるのが容易で、花の色や種子の形質に明確な違いがあり、遺伝の研究に適していたからだといわれています。
彼は、異なる形質を持つ純系のエンドウ豆を交配し、その子孫がどんな形質を持つのかを丁寧に観察しました。
そして、親の世代の形質が一定の法則に従って子孫に現れることを発見したのです。
これが「メンデルの法則」と呼ばれるもので、「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」の3つから成り立っています。
特に有名なのが、「優性の法則」です。
メンデルは、丸い種子を作るエンドウ豆としわのある種子を作るエンドウ豆を交配させると、子の世代では全て丸い種子ができることを見つけます。
そして、子の世代をさらに自家受粉させると、孫の世代では、丸い種子としわのある種子が、3:1の割合で現れることを突き止めました。
このことから、丸い種子の形質はしわのある種子の形質よりも「優性」であると結論づけました。
メンデルの研究は、当時あまり注目されませんでした。
しかし、20世紀に入ってから再評価され、遺伝学の基礎を築いた偉大な業績として現代でも高く評価されています。