私たちの設計図「遺伝子」と未来の医療「遺伝医療」について知ろう

統合失調症の遺伝性と主な症状

遺伝性疾患の一つとして、精神病の統合失調症が挙げられています。
統合失調症が発症する原因は、まだ解明されていない面もありますが、多少、遺伝的な要因があるとされています。
両親や祖父母に同じ病気の人がいる場合は、発病するリスクが高くなるといいます。

ちなみに統合失調症にかかると、急性期の場合は妄想や幻聴、幻覚などの陽性症状が見られます。
同時に意欲が減退したり、引きこもりになってしまったりといった陰性症状も出てきます。
統合失調症の症状は思考や感情、行動に悪影響が及ぶものであり、必然的に周囲との関わりが難しくなります。
仕事ができないのはもちろん、日常生活を送ることも困難になってくるでしょう。
統合失調症は慢性の病気であり、現代の医学では簡単に完治させるのが難しいのが現状です。

ただ、適切な治療を受けることで寛解し、社会復帰することは可能です。
うつ病や双極性障害などの病気に比べると、統合失調症は遺伝性が高いといわれています。
そのため、精神科の病院やクリニックにかかる際、身内に同じ病気の人がいる場合、伝えておくことが大事です。

とはいえ、すべての人が発病するわけではありません。
祖父母や両親が罹患していても、子どもや孫には発病しないケースは往々にしてあります。
ただ、もし統合失調症の初期症状が見られた場合、早めに医療機関を受診することが大事です。
現代は優れた抗精神病薬が開発されており、必ずしも入院が必要な病気ではありません。
外来による治療が可能なので、まずは医師に相談しましょう。